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医師との治療方針の共有

長年治療を続けている統合失調症と糖尿病の併発を患っている50代の男性患者。これまでに5度の入退院を繰り返している為、今回の医療保護入院もこれまでと同様のとある事例の場合、入院処方からスタートしました。病棟看護師の入念な確認により、確実な服用がなされていました。

しかし早々にスタッフの服用の促しに応じる回数は減っていき、過鎮静がみられました。これは大幅な変更がやはり必要となるのではないでしょうか。そこで、まずは主治医との治療方針のすり合わせから始める事にしました。

医師の当初意向は次の通りで、「薬剤種類及び用量は多い為、入院を機に調整を検討するつもり」「不穏になり暴れる可能性もある為、減薬するもある程度の鎮静は残したい」「やはり今後も持効性注射剤は必要だと思われる。なお、次回投与時よりハロペリドールをパリペリドンバルチミン酸エステル水懸筋注を使用してみたいと考えている」「多少なりと治療の受け入れが良くなり、且つ両親の不安が軽減されルようであれば退院・自宅療養を予定」でした。

ここで気になるのは3つ目の筋注に用いる薬剤についてです。上記薬剤は2014年4月より厚生労働省にて安全性速報いわゆるブルーレターが発出されているのです。パリペリドン若しくはリスペリドン経口剤による治療効果・忍容性が認められた後の使用を要し、急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者に対して用いる事のないよう注意がなされている薬剤になっています。

こういった注意すべき点の見落としのないよう、日頃から医師薬剤師間の意見交換・薬剤等に関する情報収集の積み重ねが重要になってくると言えますね。PPーLAIと統合失調症患者の死亡リスクとの関連性については海外研究が多く、メタアナリシスによると他の持効性注射剤や経口剤との差を見出す事が出来ないとされています。

全体的な有効性と安全性は他の抗精神病薬と大きな差異はないとの事です。しかし一方の国内では、本症例のような患者に対して投与した場合、心室性不整脈のリスクを高める可能性があるとも指摘されています。

本症例の対処として、全体的な減薬の必要はあると考えられ、治療方針について医師との共有を行ったという訳なのだそうです。