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ヘリコバクター・ピロリ

ヘリコバクター・ピロリ、胃がんとの関連が注目されている菌です。これまでは、胃の中には強い酸性の胃酸が分泌されているので、微生物や細菌は生息出来ないと考えられてきました。ところが、1983年に胃の中からヘリコバクター・ピロリという菌が発見され、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因などではと注目を集めるようになったというわけです。

また、ヘリコバクター・ピロリは自らウレアーゼというアンモニアを作り出す酵素を持っています。その為、胃酸と中和する事が出来て胃の中で生存していられるのです。

このヘリコバクター・ピロリというのは、経口で感染するとされています。らせん状(ヘリコ)の細菌(バクター)で、胃の出口付近の幽門部(ピロル)に住み着く事からこの名前が付けられました。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の90%以上がヘリコバクター・ピロリが陽性となると言われ、胃がんもに大きく関係していると考えられています。ヘリコバクター・ピロリに感染しているかどうかの検査としては、内視鏡検査時に行う組織鏡検査・胃粘液を採取して粘膜を調べる培養法・迅速ウレアーゼ試験・血清や尿の抗体測定法・便中抗原検出法・尿素呼気試験など様々あります。いずれの検査も、陽性であればヘリコバクター・ピロリに感染していると考えられます。ただし、我が国では50歳以上の70%以上が感染していると言われています。